臨床試験や疫学研究、製薬業界など、医療・生命科学分野において生物統計学は欠かせない基盤です。統計解析の理論だけでなく、実際の研究設計やデータ解釈に応用できる知識が求められます。この記事では、生物統計学を体系的に学びたい方に向けて、初学者から実務者まで役立つおすすめ書籍をご紹介していきます。
おすすめ書籍(初学者から中級者)
これから生物統計学を学ぶ方に向けて、初学者から中級者まで幅広く活用できる書籍をご紹介します。統計学の基礎から、医療分野で頻繁に使用される統計手法までを体系的に解説した書籍を中心に取り上げます。

- 対象レベル: 初学者から中級者
- 特徴: 具体的な医療データを用いた丁寧な解説

- 対象レベル: 中級者
- 特徴: SAS、Rといった統計解析ソフトウェアでの実装方法とともに統計手法について解説

- 対象レベル: 初学者
- 特徴: 統計学に関する基礎的な知識が収録されている書籍
おすすめ書籍(実務者)
生物統計家として実務に携わっている方、あるいは今後その道を志す方々に向けて、有益な書籍をご紹介いたします。

- 対象レベル: 実務者(特に臨床研究に従事している生物統計家)
- 特徴:実際の臨床現場で想定される統計家の疑問を対話形式で解説
その他(おすすめ文書)
書籍ではありませんが、生物統計家として実務を携わっている方には一度は読んでほしい文書です。
統計学の応用において重要な国際的ガイドラインであ、ICH E9(R1)は、臨床試験における「推論の枠組み(Estimand)」を定義し、試験設計・解析・解釈の一貫性を高めるための指針です。統計的知識だけでなく、規制科学の視点も身につけたい方にとって不可欠な文書です。
対象レベル: 実務者(臨床試験に携わる方)
特徴: 国際的な規制と統計の接点を理解するための文書
リンク:https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0031.html
製薬協DS部会が公開している成果物は、生物統計家にとって実務に直結する貴重な情報源です。統計解析計画書の標準化、推論の枠組み(Estimand)への対応、治験データの品質管理など、現場で求められる知識と実践的な指針が網羅されています。特に製薬業界やCROで働く統計担当者にとって、規制対応や社内教育にも活用できる内容が多く、信頼性の高いリファレンスとして強くおすすめします。
対象レベル: 実務者(臨床試験に携わる方)
特徴: 実務レベルの知識と実践的な指針を示してある多くの文書
リンク:https://www.jpma.or.jp/information/evaluation/results/allotment/results02.html#%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E9%83%A8%E4%BC%9A
まとめ
生物統計学は、単なる数式の世界ではなく、医療や生命科学の現場で「意味ある結論」を導くための道具です。今回ご紹介した書籍は、理論・実践・規制の3つの視点から統計を学ぶための優れた教材です。目的やレベルに応じて、ぜひ手に取ってみてください。