生物統計家の就職先はどこ?― 製薬企業・CRO・アカデミア・PMDAの仕事内容と年収・必要スキルを徹底解説 ―

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記事の目次
Toggleこの記事でわかること
- 生物統計家の就職先は大きく5つ:製薬企業/CRO/医療機関・アカデミア/規制当局(PMDA)/医療機器・診断薬・RWE領域。それぞれ「誰の意思決定を支えるか」が違います
- 就職先ごとの働き方の違いを、担当する試験の数・裁量の広さ・英語の使用頻度・キャリアの伸び方という4つの軸で比較します
- 年収の目安:転職サイトの求人票で提示されるレンジと、どこで差がつくのか(経験年数・英語・グローバル試験の経験)を整理します
- 必要なスキルと学歴:統計学の基礎、SAS・R、英語、規制(ICH)の知識という4本柱と、修士・博士がどこまで求められるか
- 未経験から入る3つのルート:新卒(大学院)、データマネジメント・臨床開発職からの社内異動、他業界のデータ分析職からの転職。それぞれで問われるものが違います
はじめに
統計学を学んでいると、「この知識を仕事にするとしたら、どこで働くことになるのだろう」という疑問に必ず突き当たります。筆者自身も大学で統計学を学んでいたころ、専門を活かせる就職先を探して、求人票とにらめっこした経験があります。
生物統計家(biostatistician)は、求人数こそ多くありませんが、医薬品開発・臨床研究という領域の中で確実に需要がある専門職です。そして就職先によって、担当する仕事の内容、身につくスキル、その後のキャリアの広がり方が驚くほど違います。同じ「統計解析」という言葉でも、製薬企業で新薬の承認申請を支える仕事と、大学病院で医師の研究計画を一緒に考える仕事とでは、日々やっていることがまったく別物です。
本記事では、生物統計家の主な就職先を5つに整理し、それぞれの仕事内容・特徴・向いている人を具体的に解説します。あわせて、年収の目安、求められるスキルと学歴、未経験から入るためのルートまでまとめました。現在大学・大学院で統計を学んでいる方、他業界から医薬品開発への転職を考えている方、そして社内で統計解析部門への異動を考えている方の判断材料になれば幸いです。
生物統計家とは ― 医療データで意思決定を支える専門職
まず、生物統計家という職種そのものを整理しておきます。
医療分野における統計学の専門家であり、臨床研究や疫学研究などのデータ解析を通じて、病気の原因解明や新しい治療法の確立に貢献する役割を担う。
ここで押さえておきたいのは、生物統計家の仕事が「データを受け取って解析する」だけではないという点です。実務における生物統計家の役割は、時間軸でみると次の3つに分かれます。
試験が始まる前には、試験デザインの立案、主要評価項目の定義、症例数(サンプルサイズ)の設計、統計解析計画書(SAP)の作成を担当します。ここが最も専門性が問われる工程で、後から取り返しがつかない部分でもあります。試験の実施中には、盲検性を保ったままのデータレビュー、中間解析、独立データモニタリング委員会(IDMC)への資料提供などを行います。そして試験が終わった後には、統計解析の実施、結果の解釈、総括報告書(CSR)や承認申請資料への貢献、当局からの照会事項への回答を担います。
つまり生物統計家は、解析担当者であると同時に、「この試験でその結論が言えるのか」を設計段階から担保する役割を負っています。だからこそ、就職先によって「どの工程にどれだけ関われるか」が変わり、それがキャリアの違いに直結します。臨床試験がどのような段階を踏んで進むのかについては、臨床試験のフェーズ(第I相〜第IV相)とはで整理していますので、業界の全体像を掴みたい方はあわせてご覧ください。

生物統計家の主な就職先
ここからが本題です。生物統計家の就職先を5つに分けて、それぞれの仕事内容・特徴・具体的な組織名を見ていきます。
製薬企業

- 仕事内容:新薬開発のための臨床試験の統計解析を担当。試験デザインの立案、統計解析計画書の作成、データの統計解析、承認申請資料の統計的根拠の作成、規制当局からの照会対応までを担う
- 特徴:ICHをはじめとする国際的な規制に準拠した業務が中心。1つの化合物に開発の初期から承認まで長く関わることができる
- 具体例:武田薬品工業株式会社、ファイザー株式会社等
製薬企業の生物統計家は、開発戦略そのものに関わる度合いが最も大きいポジションです。開発計画のどこにどの試験を置くか、主要評価項目を何にするか、どこまでのリスクを取って症例数を決めるかといった議論に、統計の専門家として最初から参加します。臨床開発、薬事、メディカルアフェアーズ、マーケティングといった他職種との会議も多く、統計の内容を非専門家に説明する力が強く求められます。
外資系企業の場合は、日本の試験だけでなくグローバル試験(国際共同治験)に日本の代表として参加することが多く、英語での会議・メールが日常になります。内資系企業でも海外展開を前提とした開発が主流になっているため、程度の差はあれ英語からは逃れられません。製薬企業での具体的な仕事の流れは、医薬品開発の羅針盤 ─ 製薬企業で働く生物統計家の仕事で詳しく紹介しています。
CRO(開発業務受託機関)

- 仕事内容:製薬企業などから委託を受け、臨床試験の統計関連業務を専門的に支援する。試験デザインの立案支援、統計解析計画書の作成、統計解析の実施と解析帳票(TFL)の作成が中心
- 特徴:様々な製薬企業から受託するため、多くの臨床試験・疾患領域に短期間で携わることができる
- 具体例:IQVIAサービシーズジャパン合同会社、イーピーエス株式会社等
CROは、生物統計家としての「場数」を短期間で積める就職先です。製薬企業では担当する化合物が限られますが、CROでは複数のスポンサー・複数の疾患領域の試験が並行して回ってくるため、数年で扱う試験デザインの幅が大きく広がります。プログラミング(SAS)の実務量も多く、手を動かす力は確実に鍛えられます。
一方で、業務範囲は委託契約で決まるため、「解析はするが、開発の意思決定には関与しない」という切り分けになる案件も少なくありません。この点を物足りなく感じてキャリアチェンジを考える方も多く、実際にCROから製薬企業への転職は生物統計家の王道ルートのひとつです。CROからのキャリアの広げ方はCROからのキャリアチェンジ:次のステージはどこ?で、CROの日常業務は統計学の知識で医薬品開発を支える ― CROでの生物統計家の仕事とはで解説しています。
医療機関・アカデミア(大学病院・研究機関)

- 仕事内容:医師主導の臨床研究や治験の統計解析を担当。研究計画の立案段階から関与し、試験デザイン・解析・論文投稿までを支援する
- 特徴:研究者との密な連携が求められ、統計解析だけでなく研究計画の立案そのものに関与できる。自身が論文の著者になる機会も多い
- 具体例:大学附属病院の臨床研究支援センター、ARO(Academic Research Organization)、国立高度専門医療研究センター等
アカデミアの生物統計家は、扱うテーマの幅と研究としての自由度が最大の環境です。企業治験のように規制対応が厳密に決まっている世界とは異なり、観察研究、レジストリ研究、疫学研究、医師主導治験など多様なデザインに触れられます。統計手法の面でも、傾向スコアや因果推論といった手法を実データに適用する機会が企業よりも多くなります(傾向スコア(Propensity Score)を使いこなす)。
なお日本では、2016年(平成28年)10月にAMED(日本医療研究開発機構)の生物統計家育成支援事業が始まり、東京大学大学院と京都大学大学院が育成拠点として選定されました。これにより、修士課程で体系的に生物統計を学べる教育プログラムが整備され、アカデミアと企業の双方に人材が供給される流れができています。大学院進学から生物統計家を目指す場合、これらのコースは有力な選択肢になります。
規制当局(PMDA)

- 仕事内容:製薬企業から提出された申請資料について、試験デザインと統計解析の妥当性を評価し、承認審査を統計の側面から支える。治験相談での助言も担う
- 特徴:公的機関としての安定性があり、社会的責任も大きい。審査を通じて多数の開発品目に触れられる
- 具体例:PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
規制当局は、「評価する側」に立つ唯一の就職先です。企業側では自社の開発品しか見られませんが、審査側では多数の申請資料を横断的に読むことになり、良い試験計画と悪い試験計画の差が具体的に見えてきます。ガイドラインの解釈そのものに関わる仕事でもあるため、ICH E9やICH E9(R1)といった規制文書への理解が実務の中心になります(ICH E9(R1) Estimandフレームワーク徹底解説)。
規制当局は求人の枠が限られており、募集も不定期です。また、審査側での経験は企業側から高く評価される一方、審査業務の経験者には在職中に関与した品目に関する制限がかかる場合があります。応募を検討する際は、募集要項と就業規則を必ずご自身でご確認ください。
医療機器・診断薬・RWE / HEOR領域
近年になって存在感が増しているのが、この第5の選択肢です。医療機器・体外診断用医薬品(IVD)のメーカーでは、性能評価試験や臨床性能試験の設計・解析を担う統計担当者が必要になります。感度・特異度、ROC曲線、一致性の評価といった、医薬品とは少し違う統計手法が中心になるのが特徴です。
また、RWE(リアルワールドエビデンス)やHEOR(医療経済・アウトカムリサーチ)の領域では、レセプトデータベースや電子カルテデータ、患者レジストリを扱う専門職の求人が増えています。ここでは無作為化されていないデータから因果効果を推定する必要があるため、傾向スコアや操作変数法といった因果推論の手法が主戦場になります。データサイエンス職として採用されるケースもあり、統計の専門性を持ちながら医薬品開発以外の出口を持てるのがこの領域の魅力です。
就職先を「会社の種類」で選ぶ前に、自分が試験のどの工程に関わりたいのかを決めると迷いが減ります。設計から意思決定まで関わりたいなら製薬企業やアカデミア、解析の実務力を短期間で鍛えたいならCRO、評価する側の視点を得たいなら規制当局、医薬品以外にも軸足を広げたいならRWE・医療機器領域、という対応関係になります。
就職先の比較 ― 年収・裁量・英語・キャリアの伸び方
5つの就職先を、実務でよく問題になる軸で比較すると次のようになります。
| 就職先 | 関わる工程 | 扱う試験の幅 | 英語の使用頻度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 製薬企業 | 設計〜申請〜照会対応まで一気通貫 | 担当化合物中心(深く長く) | 高い(外資は特に) | 意思決定に関わりたい人 |
| CRO | 解析・帳票作成が中心(契約範囲による) | 広い(多疾患・多スポンサー) | 中〜高(案件による) | 実務経験を早く積みたい人 |
| 医療機関・アカデミア | 研究計画の立案〜論文化 | 非常に広い(観察研究含む) | 中(論文執筆で必要) | 研究そのものが好きな人 |
| 規制当局(PMDA) | 評価・審査・相談対応 | 広い(多数の申請品目) | 中(国際整合の議論で必要) | 公益性と客観性を重んじる人 |
| 医療機器・RWE / HEOR | データ設計〜解析〜社内提言 | 広い(DB研究・性能評価) | 中〜高 | 統計以外の出口も持ちたい人 |
年収については、公的な職種別統計が整備されていないため、転職サイトに掲載されている求人票のレンジを目安にするのが現実的です。2026年8月時点でdoda等の転職サイトに掲載されている統計解析職の求人を見ると、提示レンジはおおむね400万円台〜700万円台が中心帯で、経験者・マネジメント候補を対象とした求人では800万円以上の提示も見られます。
年収差を生むのは「統計手法の難しさ」ではなく、多くの場合担当した試験の重さと、英語で仕事を完結できるかです。グローバル試験のリードを経験している、申請パッケージ全体の統計を任された経験がある、当局照会に自分の言葉で回答したことがある ― こうした経験が求人票のレンジの上側に届く条件になります。掲載レンジはあくまで募集時点の提示額であり、実際の提示は経験・年齢・企業規模によって変わります。

生物統計家に求められるスキルと学歴
求人票を並べて眺めると、求められるものは次の4本柱に集約されます。
統計学の基礎は当然として、実務では「知っている手法の数」よりも手法を選べることが問われます。主要評価項目が連続量なのか、二値なのか、生存時間なのか、繰り返し測定なのかによって使うモデルは変わりますし、欠測の扱いや多重性の調整をどう設計に織り込むかも論点になります。
統計解析ソフトウェアは、企業治験ではSASが依然として標準です。承認申請の実務がSASを前提に組み立てられているためで、CROや製薬企業の求人では「SAS経験」が必須要件に置かれることが少なくありません。一方、アカデミアやRWE領域ではRが主流で、近年は企業でもRの利用が広がっています。どちらか一方ではなく、両方をある程度書けることが強みになります(生物統計家に必要なスキル ― 統計解析ソフトウェアについて)。Rをこれから始める方はR入門 ― インストールからデータ読み込み・要約統計・t検定・グラフ作成までの最初の一歩から入るのが近道です。
規制・ガイドラインの知識も欠かせません。ICH E6(GCP)、ICH E8(R1)、ICH E9/E9(R1) は、生物統計家が仕事の前提として参照する文書です。データの標準化(CDISCのSDTM・ADaM)についても、実務では避けて通れません(CDISC標準(SDTM・ADaM)とは、ICH E6(GCP)とは?)。
そして英語です。国際共同治験が当たり前になった今、外資系企業では会議・メール・文書のすべてが英語になります。内資系でも海外規制当局への申請や海外拠点とのやり取りで英語は必要です。英語力が生物統計家のキャリアにどう効くかは生物統計家に英語力は必要?で詳しく書いていますが、結論だけ言えば、統計の実力が同じなら、英語で議論できる人にポジションが回ります。
[PR]英語が壁になっている方へ
グローバル試験の会議やIDMCの議論で必要になるのは、読み書きよりも「その場で話す」力です。学習時間が取りにくい社会人が短期間で会話量を確保する選択肢として、集中型のスクールを検討される方もいらっしゃいます。
学歴については、修士(統計学・生物統計学・数学・情報系など)が実質的な標準です。募集要項に「修士以上」と明記されている求人も多く、博士は特にアカデミアや、製薬企業でも上位ポジションで評価されます。ただし学部卒がまったく不可能かというとそうではなく、CROの統計プログラマー(SASプログラマー)として入り、実務経験を積みながら統計解析担当へ移っていくルートは実際に存在します。
資格は必須ではありませんが、統計検定は「統計の基礎を体系的に学んだ証明」として書類選考で機能します。準1級以上であれば、統計を専攻していない出身分野の方にとって特に有効なアピール材料になります(統計検定準1級 攻略ガイド)。
未経験から生物統計家になるための3つのルート
「生物統計家になりたいが、今は違う仕事をしている」という方に向けて、現実的なルートを3つ整理します。
ルート1:大学院(修士)を経て新卒で入るが最も王道です。統計学・生物統計学・疫学の専攻であれば、製薬企業・CRO・アカデミアのいずれにも道が開けます。前述のAMED生物統計家育成支援事業により、東京大学・京都大学をはじめとする大学院で生物統計を体系的に学べる環境が整っており、修士課程の段階で実データに触れる機会も得られます。
ルート2:製薬・CRO業界内での職種転換です。データマネジメント(DM)、SASプログラマー、臨床開発モニター(CRA)、薬事といった職種から統計解析部門へ移るルートで、業界の常識とGCPの理解がすでにある点が強みになります。この場合、選考では「統計をどこまで自力で学んできたか」が問われるため、統計検定や大学院(社会人枠)での学び直しが有効です。
ルート3:他業界のデータ分析職からの転職です。金融・IT・製造業などで統計モデリングの実務経験がある方は、手法の土台がすでにあるため、足りないのは医薬品開発の文脈(規制・GCP・試験デザイン)だけというケースが多くあります。ICHガイドラインと臨床試験の基本設計を押さえたうえで応募すれば、十分に評価されます。
生物統計家の求人は絶対数が少なく、一般の転職サイトに公開されている求人だけを見ていると「選択肢がほとんどない」という印象になりがちです。実際には、製薬・CRO領域に強い人材紹介会社が非公開で扱っている求人が相当数あります。応募先を探す段階では、公開求人だけで判断しないことをおすすめします。
[PR]20代で業界を変えることを考えている方へ
20代のうちであれば、未経験領域への転換は現実的な選択肢になります。自分に合う転職エージェントが分からないという段階では、複数のエージェントを比較して紹介してもらうサービスから始めるのも一つの方法です(対象は20代の方向けのサービスです)。
選考の流れは企業によって異なりますが、書類選考のあとに複数回の面接があり、統計の考え方を口頭で説明させる場面がほぼ必ず含まれます。「この試験デザインの問題点は何か」「この解析結果をどう解釈するか」といった問いに、専門外の面接官にも伝わる言葉で答えられるかどうかが評価されます。準備としては、自分が扱った解析を1つ選び、目的・デザイン・手法・結論・限界の5点を3分で話せるようにしておくと、どの就職先の選考でも通用します。製薬企業への転職で押さえるべき点は製薬会社への転職のポイント(生物統計家について)にまとめています。
よくある質問
Q. 統計学部の出身でなくても生物統計家になれますか。
なれます。実際に、数学・情報科学・薬学・農学・心理学など多様な出身分野の方が働いています。ただし採用時には統計の素養を客観的に示す必要があるため、大学院での専攻、統計検定、実データの解析経験のいずれかで裏付けを用意しておくと選考が有利になります。
Q. SASとR、どちらを先に覚えるべきですか。
企業治験の実務に近づきたいならSAS、学習コストを抑えて解析の経験を積みたいならRから始めるのが現実的です。SASは商用ソフトのため個人で環境を用意しにくいという事情があり、まずRで統計の実装力をつけ、入社後にSASを習得する順序で問題ありません。
Q. 英語はどのくらい必要ですか。
外資系製薬企業では会議・文書ともに英語が基本になるため、業務遂行レベルが求められます。内資系企業やCROでは、英語文献と英文の解析仕様書が読めるレベルから始められる求人も多くあります。まずは読解、次に文章、最後に会話という順で伸ばすのが、実務との相性が良い進め方です。
Q. 未経験の求人はありますか。
統計解析担当としての完全未経験可の求人は多くありませんが、CROの統計プログラマー職や、データマネジメント職からのキャリアパスを前提とした募集は継続的にあります。まず業界に入り、社内で統計解析部門へ移るという中期的な設計も十分に現実的です。
Q. 就職先は途中で変えられますか。
変えられます。生物統計家は専門性が明確な職種であり、CROから製薬企業、製薬企業からアカデミア、企業から規制当局といった移動は珍しくありません。むしろ最初の就職先で身につけたスキルが次の選択肢を決めるため、入口では「何を経験できるか」を優先して選ぶことをおすすめします。
📚 この記事をより深く理解するための参考書籍
生物統計家という仕事の中身を、就職・転職の前にもう一段深く知っておきたい方に向けて、実務で長く使える3冊を紹介します。



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関連記事・次のステップ
就職先ごとの具体的な業務内容は、医薬品開発の羅針盤 ─ 製薬企業で働く生物統計家の仕事と統計学の知識で医薬品開発を支える ― CROでの生物統計家の仕事とはで、それぞれ1日の流れに近い粒度で紹介しています。転職を具体的に検討する段階に入った方は製薬会社への転職のポイント(生物統計家について)、すでにCROで働いていて次を考えている方はCROからのキャリアチェンジ:次のステージはどこ?が参考になります。
学習面では、生物統計家を目指すための勉強法 ― 基礎から実務スキルまでのロードマップで全体の進め方を、生物統計学を学ぶためのおすすめ書籍:初学者から実務者までで分野別の書籍を整理しています。ソフトウェアの選び方は生物統計家に必要なスキル ― 統計解析ソフトウェアについて、英語の位置づけは生物統計家に英語力は必要?をご覧ください。
実務の中身に触れてみたい方は、規制の入口としてICH E8(R1)とは?― 臨床試験の全体設計とQuality by Design、データ標準としてCDISC標準(SDTM・ADaM)とは、資格対策として統計検定 準1級・1級 攻略ガイドから読み進めるのがおすすめです。
生物統計家のキャリアについて相談したい方へ
製薬企業・CROでのキャリア、未経験からの転職、実務で必要になるスキルの伸ばし方について、現役の生物統計家が個別にご相談をお受けしています。
まとめ
本記事では、生物統計家の就職先を製薬企業・CRO・医療機関/アカデミア・規制当局・医療機器/RWE領域の5つに整理し、それぞれの仕事内容と働き方の違いを見てきました。
同じ生物統計家という職種でも、製薬企業では開発戦略の意思決定に、CROでは多数の試験の解析実務に、アカデミアでは研究計画の立案そのものに、規制当局では申請資料の評価に、そしてRWE領域ではデータベース研究の設計に軸足が置かれます。どれが上位ということはなく、自分が試験のどの工程に時間を使いたいかで選ぶのが最も納得のいく決め方です。
求められるスキルは、統計学の基礎・SAS/R・規制の知識・英語の4本柱でした。このうち最初の就職先で伸ばせるものは環境によって偏りますから、入口を選ぶときには給与条件だけでなく「そこで何を経験できるか」を確認していただきたいと思います。年収は求人票のレンジで見ると400万円台〜700万円台が中心帯ですが、レンジの上側に届くかどうかを分けるのは、担当した試験の重さと英語で仕事を完結できるかという点でした。
そして、未経験からでも道は閉じていません。大学院を経て新卒で入る王道に加えて、業界内での職種転換、他業界のデータ分析職からの転職という現実的なルートがあります。気になる就職先が見つかったら、まずはその組織がどのような試験・疾患を扱っているかをホームページや公開されている論文で調べてみてください。扱う疾患領域と試験デザインの傾向は組織ごとにかなり違うため、そこまで見ると志望動機も具体的になります。
次のステップとして、学習の進め方を確認したい方は生物統計家を目指すための勉強法を、業界の全体像から押さえたい方は臨床試験のフェーズ(第I相〜第IV相)とはをご覧いただければと思います。ご自身の強みが最も活きる場所を選び、長く続けられるキャリアを描いていただければ幸いです。








